壮絶すぎる介護マンガを読みました。。。
半ダース介護 井上きみどり著
タイトルどおり半ダース(6人)ものお年寄りをたった一人で介護しているスーパーウーマン・ハルコさんの介護ドキュメンタリー漫画です。
(主人公のモデルは実在する女性で、作者の井上さんとは別人です)
実際には、自分の両親と夫の両親4人(生みの親と養父母)、さらに夫の祖母(90代)と実質7人の介護を経験しているそう(*_*)
介護の始まりは、ハルコさんの実父が病気のため入院したところから。
その後、残り6人も芋づる式に介護が必要になり、一人で3軒の家を巡回して家事を含む介護する毎日を送っていたそうです。
6人もの老人の世話をひとりでこなすハルコさんって筋金入りのお人よしで断れない性格なんだろうなぁ…というのが正直な感想。。。
この本では長年の介護で体を壊した結果、公的な介護サービスを導入してハルコさんの負担を軽減するまでが描かれています。
残念なのが、漫画では介護期間がはっきり分からないこと(>_<)
でも、実父の介護時に中学生だったハルコさんの娘が、最終的には結婚して子供が誕生しているので、並行介護は軽く10年に及んでいるはず。。。
働き盛りの元気な女性が、無償で10年間毎日休みなく24時間体制でこき使われる介護って、なんなのでしょう。
重複介護は現在も継続中
しかも恐ろしいのは、この介護生活が現在も継続中という事実。。。
ジジババ6人のうちジジ2人が死んで、残りはババ4人になったとはいえ、こんなことが当たり前に許されていいんでしょうか?
4人の親を持つ男…まぁ普通なら結婚の時に苦労するからやめとけ!と言われる(実際ハルコさんも反対された)でしょうが、この夫が全く介護に関わってないのが腹立たしい。
自分の親くらい面倒見ろ!と、夫に文句の一つも言いたくなりますが、漫画でハルコさんちの家庭内の状況には全く触れられていません。
漫画に描けないほどの壮絶な修羅場や苦難が、数えきれないほどあるのだろうと推察します。。。
楽だから介護されたい?
更に腹が立つのが、さほど重度でないのに家事全般を嫁におしつける夫の母2名(義母と養母)!
さらに驚くことに夫の義母は義父を看取った後、仲良くなった男性(しかも認知症)と内縁状態になります(;'∀')
漫画では『高齢者の性』は軽いタッチで描かれてますが、私がハルコさんと同じく嫁として介護している立場だったとしたら、そんな元気あるなら自分の事は自分でやれ!って言いたくなります( `ー´)ノ
介護で犠牲にならないために
まだ当分は先の話だと思ってた(できれば来ないでほしい)親の介護。
私がこの本で学んだのは「介護者は自分で自分を守らないといけない」ということ。
理想の介護とは、ハルコさんのように自分ひとりを犠牲にして背負い込む介護ではなく、色んなプロの手を借りる介護者が犠牲にならない介護なんじゃないかなと思います。
とはいえ、実際に介護に巻き込まれてしまったら、そんなことを考える余裕すらなくなってしまうんでしょうね。。。
私が読んだ『半ダース介護』は、こちらのwebマガジンの連載を書籍化したものです↓