日本中で狂ったように物を捨てまくった、俄かミニマリストブームはやや落ち着いたように思いますが、図書館で見つけたので読んでみました。
ぼくたちに、もうモノは必要ない。 佐々木典士著
汚部屋の住人だった著者がミニマリズムに開眼し、最小限のモノしか持たない生活によって自由や幸福感を手に入れられる事を力説している本です。
この本に載せられた写真(殺風景を通り越して刑務所の独房のような部屋と生活感を徹底的に排除したインテリア)は、私にはやや病的に見えます。
特にテレビを処分したという(有名ミニマリストらしい)男性が、一人で壁にもたれてヘッドマウントディスプレイ(VRを見る為のゴーグルのようなもの)でテレビを見ている写真は、不気味かつナンセンスで滑稽にすら感じました。
ブログを書籍化したのか似たような文章があちこち書かれている印象で、1冊の本としてのまとまりが感じられず、やや説教臭く感じてしまうところが残念です。
(おそらく編集の問題だと思いますが、編集は著者の同僚が担当したようです)
あと、有名無名ミニマリスト仲間や歴史上の人物(ガンジーやアインシュタイン)に至るまで多種多様な人たちの言葉を引用しているんですが、あまりにも多すぎます。
結局この人は、有名な誰かの名言をちりばめて箔を付けたかったのかな…という印象が先に立ってしまい、逆に損をしている感じを受けました。
登場する有名人の中に、こんまりさんもいますが、どちらかというと片付けのメソッドを広めた人であってミニマリストとは違うように思います。
こんまりさんを出すなら、断捨離のやましたひでこさんを取り上げないのはナゼ?(大人の事情でしょうか…)
ぼくたちに、もうモノは必要ない。|佐々木典士|本|Amazon
私自身、度を超すミニマリストには共感できない気持ちがあるので、かなり否定的な感想になってしまいました(^^;
というのも、著者の提唱する生き方は東京や大阪など一部の大都市でしか成り立たないと思うから。
大都市の利便性に生活の全てをゆだねる生き方は、今の時代にはとても危険である意味無責任な生き方じゃないかと思うのです。
「ネット環境とお金さえあれば、何でもすぐに手に入る=だから自分は持たなくていい」というのは、(田舎暮らしの私には)環境に甘えすぎじゃない?と思ってしまいます。。。
似ているようで全く違うシンプルライフの映画↓