先日借りた本の中の一冊『父がひとりで死んでいた』の感想です。。。
父がひとりで死んでいた 如月サラ著
著者は50代独身の女性、東京でフリーランスとして忙しく働く日々を送っていたある日、父の死を知らされるところから始まります。
認知症の母を施設に入れた事をめぐって父と対立し、死後発見されるまで連絡を絶っていた著者が、父を弔い実家の後片付けに追われた体験を綴っています。
これだけ聞くと、他人事ではない気持ちになって読めるはずだったのですが…なぜかあまり同情はできませんでした。
東京から遠く離れた九州を行き来し、大量にモノが残された大きな家をひとりで片づけるのは、大変な苦労だと思います。
もちろん父が孤独死するまでの経緯や、一人で死なせてしまった後悔は書かれていますが、あまり自責の念や辛さが文章からは感じ取れないんですよね。
(もちろん本の中で悲しんではいるんだけど、なんとなく心から父親の死を悼んでる風にはみえない)
どちらかというと、残された猫を引き取ったり、実家の片付けや諸々の手続きに追われた大変さばかりが強調されてる気がします。
私がとても引っかかったのが「衝撃の現実」という言葉が使われた見出しの章。
何の事かと思ったら、地域のゴミ出しの日程が合わず、帰省中に全部のゴミが出せなかったことに「衝撃」を受けたのだとか。。。
あのー、父の死よりゴミが出せない事が衝撃なのですか(*_*;
あと各章の後ろのコラム欄で、親が死んだときに慌てないためのミニ知識みたいなやつが載ってるんですけど、これ要りますか?
同じような立場の読者へのサービスで付け足したんだと思いますが、これがあることで読み物ではなく実用書みたいになり、すごく残念な感じがしました。
父がひとりで死んでいた 離れて暮らす親のために今できること | 如月サラ | 本 | Amazon
元々はnoteで公開された記事を書籍化した本なのだそう。
なので文章は淡々とドライで読みやすい(親の孤独死を扱ってる割に)ですが、本にするには物足りない感じがしました。
書籍化するのであれば、もっと内省を深めて書き直した方が良かったんじゃないかと思いますが…こう感じるのは私だけなのかしら(;^ω^)
いくらネットで高評価だからといって「わざわざ本にする意味あるのかな?」という違和感が残りました。