以前、ブログ仲間のamiさんがお勧めされていた育児の本に興味を持ち、図書館で同じ著者の本を見つけたので借りてみました。。。
子供側の視点から書かれた育児書
名前からてっきり著者は女性だと思っていたのですが、とても有名な児童精神科医師の男性でした。
子供を対象にした精神科で治療する立場から、どうすれば子供は健全に育てられるのか?を分かりやすい言葉で書かれています。
子どもへのまなざし 佐々木正美著
児童精神科に治療に来る患者の多くが幼児期に問題があり、治療をするためには再び幼児期をやり直す必要があるそうです。
「建物は基礎が大切だが、子育ても基礎である幼児期が大切」という表現を使い、幼児期にしっかり愛情を注げば多少問題が起こっても、かならず子どもは健全に成長していくものだという風に説明されています。
著者の勧める子育ては「幼児期は、子供が満足するまで全ての要求を聞く」「母子密着の期間を経て、子供は子供同士で育ちあう」という方針で、私自身これまで娘に対してどう接してきたか?と振り返る良いきっかけになりました。
私なりに子育てについて振り返った記事です↓
また、昔と違い現代(といっても'90年代後半、今から20年前になります)は様々な事に我慢ができにくい世の中になってしまい、育児に強い関心が持てない母親が増えつつある…という事を書かれていて驚きました。
この本が書かれた当時に著者が指摘した問題は、スマホ全盛の現在ではもっと深刻になってるのではないだろうか…と思いました。
続・子どもへのまなざし 佐々木正美著
『子どもへのまなざし』の続編にあたるこの本は、『子どもへのまなざし』を読んだ読者からの質問に答える形式で書かれています。
『子どもへのまなざし』が一般的な育児について書かれた内容なら、こちらは発達障碍を持つ子供やその親への対応の仕方など、精神科医師として保育に関わるプロの人へ向けて書かれているように思います。
著者はこの本の中で、育児をメインで担う対象が家庭(主に母親)から社会(保育士)に移り変わっていく可能性について言及しています。
現在の保育所問題や、安部元首相が推進しようとした「社会で子育てする」ことで発生する様々な問題を、20年前から指摘していた著者の先見性に驚きました。
著者は「いくら保育所で素晴らしい保育を受けられたとしても、子供はたとえお迎えが夜になったとしても親が迎えに来るのをずっと待っているものだ」と書いていて、やはり親がいる限りは親が育児の第一責任者として、最大限頑張る必要があるんだな…と思いました。