大盛況で幕を閉じた「怖い絵」展(2017年)で展示された絵画の解説と、開催にまつわる裏話がまとめられています。
もっと知りたい「怖い絵」展 中野京子著
これまでの怖い絵シリーズと同様に「どうしてこの絵が怖いのか?」を一つ一つ丁寧に読み解いていくスタイル。
絵の解説と一緒に展覧会の様子(観客の反応など)も詳細に綴られていて、当時の会場の興奮ぶりが思い出されます^^
最後に添えられた『「怖い絵」展のできるまで』で、展覧会が開催されるまで数年に及ぶ奮闘ぶりを読むと、あの「怖い絵」展は奇跡のような確率で開催されたんだ!!という事が分かりました。
なんといっても主役の『レディ・ジェーン・グレイの処刑』がロンドンから来日したのは、数々の難問(大きすぎて運べない、所蔵しているロンドン・ナショナル・ギャラリーがOKしない等)がクリアされた末の幸運だったのだと知ると余計に有難みが増しました(;^ω^)
私も神戸で「怖い絵」展を観に行きましたが、あまりの大混雑にビックリしました。
30分近く並んで切符を購入し会場に入ったまでは良かったのですが、鑑賞の行列が全然動かないのです(^^;
娘と一緒だったので、人だかりができている作品は素通りして、結局じっくり見たのは本命の『レディ・ジェーン・グレイの処刑』だけという非常に勿体ない回り方をしてしまいました(^^;
途中で娘が疲れてしまったので仕方なかったのですが、解説を作品ごとにじっくり読んでたら、とても1日じゃ回り切れないボリュームでした。。。
見上げる様に間近で見た本物の『レディ・ジェーン・グレイの処刑』(作品の大きさ2.5×3m)は、本で見た時よりも数倍の迫力を持ち、観ている私自身がその場に立ち会っているような臨場感がありました。
特にジェーンの着ている真っ白なドレス(花嫁衣裳)のサテンの質感が素晴らしく、衣擦れの音が聞こえてきそうなほどリアルな光沢を放っていました。
純白の衣装を身にまとった美しいジェーンと、彼女を取り巻く死刑執行人たちとのギャップ、この場面の数十秒後に起こるであろう悲劇のイメージが重ねられ、本当に映画を見ているようだったのを思い出します。
生で見られて本当に良かったな~と今でも思います。。。