ちょっと曲がった家

家づくりとその後の庭づくりや日常生活の記録のブログです。

池江選手のニュースに思う

白血病という命に係わる病を、自らツイッターで公表した池江選手のニュースが連日放送されています。
18才の少女とは思えない冷静で前向きな発言に、世界で活躍するようなアスリートは人間性や表現力もスゴイんだなと感心するばかりです。。。

関連ニュースの中で骨髄バンクへの問い合わせが殺到しているという件について、少し思う事があるので書きたいと思います。

ハートを持ったテディベアのイラスト

実はわたし、骨髄バンクのドナーです

20年以上前になりますが、私は骨髄バンクを通して骨髄提供をしました。
私の妹がドナー登録をした話を聞き、献血の延長*1みたいな軽い気持ちで登録をしたのです。。。

登録後3ヶ月くらい経ったある日、骨髄バンクから『3次検査のご案内』という適合通知が送られてきました。

適合通知とは「あなたの白血球のタイプが、骨髄移植を希望している患者さんのタイプに近いので提供をお願いできるでしょうか?」という意思確認を行うための通知です。
適合といっても、実際には詳しい検査をしないと移植可能かどうか分からないので、通知対象は広めに設定されおり、妹にも同じ通知が来ていたと思います。

ドナー登録をしても何年も提供しない場合も多いと思っていたので、初めは戸惑いました。。。
ただ、当時はまだ気楽な独身だったので、会社さえOKであれば提供を拒む問題が特に無かったので、とりあえず検査を受けることにしました。

コーディネーターさんと顔合わせ

適合通知に提供の意思ありと返信した後、しばらくしてコーディネーター*2さんから電話が掛かってきました。
3次検査を受ける病院で落ち合う約束をし、骨髄バンクのブルーの封筒を目印*3に待合せたのを覚えています。

3次検査は、地元の大学病院で調整役の医師から移植手術についての説明を聞いたり、検査用に採血をしただけでした。
3次検査をした1か月後ぐらいに「ドナー最終候補者に選ばれました」という合格通知(?)を受け取りました。

最終同意:ドナーの意思確認

3次検査までは自分の意思だけでいけたのですが、実際に提供するには様々な障害を越えないといけません(;^ω^)

提供を阻む障害

骨髄バンクのビデオでも言ってたような気がしますが、せっかく適合するドナーが見つかっても、実際に患者さんに骨髄移植できないパターンは少なくないのです。
その中で主なのが下の3つ…

  • 家族の同意
  • 職場の理解
  • ドナー本人の健康状態
家族の同意

骨髄提供の手術は全身麻酔を使うため、必ずドナー本人だけでなく家族の同意のサインが必要になります。
なので、ドナー本人がいくら提供したくても家族の同意が得られなければ、その骨髄提供は成立しないのです。

私の場合、父が提供に大反対だったのですが、母が私の説得に折れた結果サインしてもらうことができました。

職場の理解

骨髄提供の手術で3泊4日ほど入院するため、4,5日まとまった休みをもらえるかどうか。
さらに骨髄提供の準備として自己血保存(詳しくは後述)のために会社を休んで病院に行くのが2,3日別に必要です。

私は当時プログラマーをしていたので、仕事の納期さえ影響しなければ1週間くらい休んでも問題なかったのが幸いしました。。。

ドナー本人の健康状態

コーディネーターさんによると、骨髄提供直前の風邪などで提供できない場合もあるそうで、提供直前まで体調管理は気をつけていました。

最終同意の面談

最終同意は保証人となる母親と私、コーディネーターさんと調整役の医師の4人で面談をします。
私の場合は、コーディネーターさんと医師が母親の不安を取り除くために、出来る限り丁寧に移植手術について、危険性も含めて説明してくれていました。
その場で母親が同意書にハンコを押してくれなかったら、きっと骨髄提供は出来なかったでしょう(>_<)

骨髄採取に向けての準備

最終同意後、骨髄バンク内部で移植にGOが出されたら、骨髄を採取する手術日を決めます。
いつでもどこでもできる手術ではないので、いくつかの候補日から選ぶというスタイルになりました。

採取日が決まると、健康診断・麻酔科検診・自己血保存という準備作業に入ります。
自己血保存とは、骨髄採取後の体を回復させるために、あらかじめ保存しておいた自分の血液を戻す血液を採血して保存することで、自分専用の献血みたいなもんです。
1度にまとめて採血*4できないので、1週間おきに2回に分けて採血しました。

骨髄提供(採取)の手術とその後

手術の前日に入院し、いくつかの検査を受けたりコーディネーターさんや担当医師から説明を受けたりします。

手術自体は1時間半ほどで終わります。
簡単に説明すると、全身麻酔をしてから骨盤に鉛筆の芯くらいの太さの注射針をつきさし、骨の中にある骨髄を吸い出して採取します。

私の場合は、腰に10カ所くらい場所を変えて採取していました。
全身麻酔なので意識が戻ってしばらくしてから、重めの生理痛(腰痛)みたいな傷みを感じましたが、痛み止めなどはいらない程度でした。

術後は、体を回復させるための点滴や検査などを受け、問題が無ければ2日後には退院できます。

しばらくはお風呂には入れませんが、傷がふさがればシャワーを浴びられますし、激しい運動は制限されましたが、それほど日常生活に支障はありませんでした。

ドナー登録は継続中

かいつまんでの説明でしたが、私が経験した骨髄提供はこんな感じです。

妊娠~子供の手が離れるまでは、保留(コーディネート対象外にしてもらうこと)にしていましたが、数年前に保留を解除し、また依頼があれば提供したいと思っています(*'ω'*)

ただ、決まりとして骨髄提供できるのは54才までなんですよね…残り9年、チャンスはあるかしら。。。

ドナー希望者へのお願い

ドナーが増えれば、マッチングの確率が上がり、骨髄移植を希望する患者さんが移植を受けるチャンスが増えるので良い事ではあります。

ただ、安易な気持ちでドナー登録する人が多かった場合、提供不可でコーディネート終了になる確率が増えるので、できれば「骨髄提供の依頼が来たら、よほどの問題がない限り提供したい」という覚悟の上でドナー登録をしてほしいと思っています。

*1:全国各地の献血センターに骨髄バンクのパンフレットと申込書が置いてあり、登録やそれに伴う検査も献血センターで行います。

*2:骨髄バンクから派遣されたボランティアで、病院との調整や提供に向けてドナーを支援してくれます。

*3:携帯電話を持ってなかった当時は、こんなアナログな方法で初対面の人と待ち合わせしていたんですよねww

*4:採血する量は採取する骨髄の量によって決まるらしく、私の場合は採取する骨髄600mlに対し、自己血は800mlとなりました。