兵庫県在住の漫画家・古林海月さんのブログを毎日楽しみにチェックしているのですが、12年前に描いた作品が出版され話題になっているそうです。。。
麦ばあの島 古林海月作画/蘭由岐子監修
自由奔放な女子大生とその姉がある事をきっかけに、麦ばあという元ハンセン病患者(ハンセン病回復者というのが正しいようです)と知り合います。
姉妹が親しくなった麦ばあの昔語りから、ハンセン病で受けた差別や療養所での生活、現在に至るまでを知っていく…という内容です。
病気への偏見のせいで家族や社会から隔離された生活を強いられた人たちが、どのような暮らしをしてきたかが、とても丁寧に時にはユーモアも交えて描かれています。
”つらい生活を強いられた可哀想な人たち”という一方的な目で見てしまいがちですが、閉鎖された療養所での生活の中にも楽しみや喜びを見つけ出し、私たちと同じように日々暮らしていたんだな…と知ることができました。
私はニュースでしか知ることのなかった出来事でしたが、この漫画を通してより深く理解できた気がします。
折しも優生保護法で不妊手術や中絶手術を強制されてきた人達の声がようやく新聞などでも取り上げられるようになり、弱者の人権を踏みにじってきた事への償いを求める動きが出始めています。
この漫画がより広く読まれて、ハンセン病回復者やその他の社会的弱者に対する見方が変わればいいなと思います。