ちょっと曲がった家

おもに家と庭についてのブログです。。。

読み物:山本幸久さんの本

久しぶりに読んだ山本幸久さんの本を紹介します。
数年前、図書館でたまたま見つけた『カイシャデイズ』を借りてからファンになり、新刊が入るたびに読んでいる作家さんです。

山本幸久誰がために鐘を鳴らす

誰がために鐘を鳴らす 山本幸久

主人公は廃校が決まった高校に通っている冴えない男子高校生ですが、たまたま手にしたハンドベルから成り行きでハンドベル部を結成します。

集まった部員も意気投合した仲間という訳でもなく、互いにぶつかり合いながらもハンドベルを通して友情を深めていく過程が青春小説!という感じで爽やかです。
脇役に別の本の登場人物がさりげなく配置されてて、ファンの心をくすぐりますww

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山本さんの作品は、文章が軽快で読みやすく読後感が爽やかな作品が多いのですが、特に魅力を感じるのは『働く人』を扱っている作品です。

主人公を含めた全てのキャラクターが生き生きしてて、読んでると「あ、バイト先にそういう人いたよね」と登場人物を身近に感じることができます。

『働く人』といっても華々しい職業ではなく、クライアントに無理難題をふっかけられる営業マンとか、手ごわい乗客達をなんとかまとめて引っ張っていくバスガイドとか、色んな事情を抱えながら働く丼チェーンの店長とか…エリートでも何でもない、いわゆるフツーの人々です。
主人公たちの、時に悩んだりくじけそうになりながら、それでも仕事に誇りをもって前向きに頑張っていく姿に「働くって、そう悪くないんじゃない?」「明日もまた頑張ろう」って気持ちにさせてもらえます。